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いえいえ。あの独特なかたちはどういうイメージなんでしょう?
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Y:
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あのかたちが何かを意味しているわけではないんですね、前作の『BAROQ』と同じで。
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あ、そうなんですか?
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Y:
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「こんなのが出来たらいいなぁ」という、漠然としたイメージが最初に来るんです。それが作っているうちに、「なんか植物っぽいな」とか「幾何学っぽいな」とか、そんな要素がだんだん見えてくるわけですね。
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では、テーマが最初にあるわけじゃなくて。
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Y:
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そう。かたちが出来るときに、テーマが自然に現れてきます。
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「萌」というテーマですね。どういうイメージなのでしょう?
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Y:
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あれはいろいろ思うところがありまして、もちろんあのかたちが植物的というのが大きいですけれど、Nobさんの…
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お亡くなりになりましたね、芦ヶ原先生。
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Y:
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ええ。遺作の『PLATE』のテーマが、継承の「継」ですね?あれに近いニュアンスもあります。森で大きな木が倒れた後に次のが芽生えている、という。萌芽の「萌」ですね。
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そういうことですか。私はてっきり“萌え系フィギュア”とかの「萌え」かと思っていました。
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Y:
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なるほどね。そうお感じになったのならそれでもいいと思いますよ。触覚的な魅力、ボリューム感とかね。そういうことも大切にして作っていますから。
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ヤマモトさんの作品には、どこか女性的なものを感じます。今回の新作も丸みが女性的ですよね。女性的なものへの思いがあるんでしょうか?
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Y:
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いやー、女性っぽさを意識したことは全然ないですねぇ。外すと言うか、バラしちゃうわけですし。
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あ、そうですね。分解…
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Y:
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指で触っても楽しめるように作っていますから、どこかセクシーなかたちになっているのでしょうね。それがあなたには女性に見えるんじゃないかと。でも私にとっては、かたちそのものが恋の対象ですね。女性の投影ではなくて。
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そうですか。ちょっと不思議な感覚ですね。
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Y:
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かたちを分析的に考えるだけではなくて、目や指で感じながら作っていますから。
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その、かたちを作るプロセスについても、具体的に教えて下さい。
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Y:
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どうやって作るか、ということですか?
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ええ。たとえば、僕にも作れるでしょうか?
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Y:
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なるほど。技術的にはそんなに特別なことではないですよ。「ガレージキット」ってご存じですか?“自作のフィギュア”と言ったらわかるかな。あんな技術です。最初に原型を作って…。
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なるほど。ヤマモトさんの場合、最初はどんな素材で原型を作るんですか?
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Y:
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うーん、いろいろですね。粘土だったり金属だったり、プラスチック系だったり。『RADIX』では漆(うるし)も使いました。
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決めてないのですか、素材を?
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Y:
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かたちが見えてから、素材のイメージが浮かびますね。「こんなかたちだから、木で作らなきゃ」みたいに。その逆もありますけれど。
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それでは、最初のかたちをどうやって思いつくのかも教えて下さい。
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Y:
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んー…。「思いつく方法」があれば、楽でしょうけれど…。ちょっと難しい質問ですね。
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では、着想のために、今までどんなことをなさっていたのでしょう?
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Y:
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そうねぇ…とにかく考え続けることと、書き留めておくこと。あと、紙の上でいろいろ考えたら、作ってみること。試行錯誤ですね。わりとダサくて難儀な作業ですよ。
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今回の『RADIX』で苦労なさったことは、どんなことですか?
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Y:
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そうですね、ふたつ、かな。ひとつは、思いついてからかたちにするまでの作業。あとひとつは、製品化で打ち合わせしながらのあれこれ。別解つぶし(※注)、とかね。でも私よりハナヤマのスタッフの皆さんのほうが苦労なさったと思いますけれど?
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いえいえ、お互い様です。それから、今、新作の構想はありますか?
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Y:
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え?えぇ、まあ。出来たらいいな、というイメージはあるんですが、まだまだ…。原理的にムリかもしれませんし…。ごめんなさい、まだお答えできない段階です。
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では、どんな感じでお考え中でしょうか?雰囲気だけでも。
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Y:
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『BAROQ』のときには音楽を手がかりに考えましたけれど、新作に向けて今考えているのは、分子模型とか、編み物とか、免疫系だとか、そんなものをあれこれ思考実験しています。
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へー…。では最後に、キャスト・ファンへのメッセージを。
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Y:
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…私が?
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はい。『RADIX』の魅力などを、お願いします。
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Y:
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なるほど。それなら用意してきました:
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“目にも指にも楽しい。立たせても動かしても、外してもカッコいい。”
新作『RADIX』の制作や打合せのとき、こんな実感がありました。
動きだけでなく「立ち姿」もキメましたので、戻せたときの達成感や充実感を、今までになくお楽しみいただけると思います。
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どうも、お疲れ様でした。
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Y:
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いえいえ、そちらこそ。
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